大宮エリーさんをお招きし「フラワーフェアリー生誕祭」を開催しました!
作品の完成と公開を祝う「フラワーフェアリー生誕祭」
瀬戸内国際芸術祭2022の幕開けに合わせて犬島で“開花”した「フラワーフェアリーダンサーズ」は、アーティスト・大宮エリーさんが手掛けた立体作品。力強い色合いで描かれた草花たちが、犬島で夏に盆踊りが行われている「ちびっこ広場」にて、目に鮮やかな踊りを見せています。
この作品の制作にあたり、大宮さんが犬島の草花や自然にインスピレーションを受け、島に咲いている草花をモチーフに制作をしています。大宮さんは島の外にある工房で制作中の様子を犬島の方に配信したり、写真やメッセージを配布したりして、制作過程を島民の方々と共有しながら作品づくりを進めました。
最終的に作品を設置する位置も島民の方と一緒に決め、2022年4月に「フラワーフェアリーダンサーズ」は完成しました。
「フラワーフェアリーダンサーズ」の完成と公開を祝って、2022年5月28日(土)と6月5日(日)に地元の岡山市立山南学園の生徒児童たちを招き、大宮さんによる記念イベント「フラワーフェアリー生誕祭」を開催しました。本記事では、5月28日(土)に行われたイベントの様子をレポートします。
犬島に自生する草花をモチーフにお絵描き
イベントの冒頭、大宮さんは「この作品のタイトルは『フラワーフェアリーダンサーズ』って言うんだけどさ。お花の妖精なんです。だから大きくなっちゃったの」と犬島のために作った新作を紹介。「今日はね、みんなが思うお花の妖精を描いてほしいんです」と語り、児童たち自身の「フラワーフェアリーダンサーズ」を絵にしてほしいと伝えました。
大宮さんの作品を鑑賞した後、「フラワーフェアリーダンサーズ」のモチーフになったヒメキンギョソウなどの草花を探しに、みんなで犬島島内を巡ります。
すると、島のあちらこちらで「あ、見つけた!」「こっちにもある!」と児童たちの明るい歓声が響きました。まるで宝島で財宝探しが始まったような光景です。児童たちは目当てのお花だけでなく、植物の周りを飛ぶハチや虫たちも発見し、熱心に観察していました。
たくさんの新たな「フラワーフェアリーダンサーズ」が完成
児童たちはちびっこ広場に机を並べて、「自分の考えるフラワーフェアリーダンサーズ」をテーマにお絵描きをします。児童たちの様子を見て回りながら、大宮さんは「この世にないようなお花を描いても良いよ。お花の周りに何があるかなって考えてみてね」「せっかく犬島に来たから、犬島で見たものを描いても良いよ。船があったり、海がったり。犬島で見たものを描いても良いし、自分の今の気持ちを色にしても良いからね」と語りかけ、児童たちの想像力を膨らませます。
作品が完成したところで、自分の絵のタイトルと何を描いたかを一人ひとり発表します。恥ずかしそうに絵を見せる子、自慢気に自分の作品を解説する子、たくさんのストーリーを一枚の絵の中に詰め込んだ子……。それぞれの児童の個性が反映された、たくさんの新たな「フラワーフェアリーダンサーズ」がちびっこ広場に生まれました。
全員の作品の発表が終わると、手作りの額縁に一人ひとりの絵を貼り付けました。「自分の気に入った額縁を選んでね。フレームが変わると自分の絵が全然違う見え方になるから」と大宮さん。額縁はすべて児童たちのために大宮さんがご自身で手作りしてくださっています。
作品を額装したところで、犬島町内会 会長の安部壽之さんから「犬島賞」の選考と授賞式が行われました。「力強い絵もあれば、優しい絵もあるし、空想の絵もある……。その人その人の個性が出ていると思う」と講評を語ってくださった安部会長。
「犬島賞」に選ばれた絵を描いた児童には、スズランが描かれた大宮さんお手製のメダルが贈られました。
交流のきっかけを作るアートプロジェクト「INUJIMAアートランデブー」
大宮さんの軽快で楽しいトークと児童たちの奮闘で、「フラワーフェアリー生誕祭」はちびっこ広場にたくさんの笑顔が花開いたイベントとなりました。
「フラワーフェアリーダンサーズ」は、人びとの交流のきっかけとなるようなアートやイベントを展開するプロジェクト「INUJIMAアートランデブー」の一作目の作品です。今後、犬島のアートや自然、くらしの魅力を大宮さんと一緒に発信していきますので、ぜひご注目ください!