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「腰かけたい場所」シェアプロジェクトのご報告 その4

「芝生の上に座ってる人もいたけれど、私は服を汚したくないので座りませんでした。」というお声をいただきました。ベネッセアートサイト直島では「自然に腰かけられる場所」をさりげなく仕込みますが、それだけではいかんとも、という貴重なご意見です。

李禹煥美術館の芝生でゆっくりする人々

とはいえ、無限門の前に劇場のように椅子が並べてあったら、首をかしげる方も多くいらっしゃるでしょう。
どのようなルートで作品をめぐるのか。作品の周囲は、作家さんが鑑賞者にどういう視点を提供したいかについて、繊細に詳細に考えています。

ベネッセアートサイト直島では、敷地全体で視点固定、つまり見せたいものを押し付けることを出来る限り避けようという考えがあります。
ここ無限門でも、具体的な案をもって議論した結果、2022 年の本企画では設置数0 となりました。可能性のある案もあり、もろもろの与件とともに今後も検討されていきます。

時を同じくして、座布団を貸し出し、好きな場所に腰かけていただくという別企画の展開もありました。

李禹煥美術館の屋外で行われた期間限定企画のショップ

ご自分で座りたい場所に座れる、というのは理想の状態ともいえます。「自分の意志で動かせる」可能性についても考えていきます。

春ベンチからスタートした本企画ですが、
春に好評だった浜辺は夏は大変暑く、秋が近づくと荒天が増えるため、ベンチは人の多い木陰などに移動しました。
木陰が無いところの夏の「腰掛けたい」希望には、パラソルもあるとよいというアイディアもいただきました。
「腰かける場所」はベネッセアートサイト直島でどうあるべきか、追及が尽きない深いテーマです。

実際どこに置かれたかについて、
是非春以降に訪れて体験してみていただきたいです。

2023 年は、「ベンチで無いものを」という意見を反映し、ベンチ以外の「腰かけられるもの」を検討しています。
また引き続きご意見いただけるよう、春からの投稿シェア企画についても改めて検討中です。引き続き、この「お知らせ」をご注目下さいますよう、お願いいたします。

歩くなかで見る風景と、ゆっくりと腰かけることで見えてくる風景は、少し違うように思っています。ベネッセアートサイト直島での体験を、一緒に深化させていきましょう。

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