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地域苗生産ワークショップ「みんなの直島再発見―直島の種から木を育てよう」を開催しました!

直島ランドスケーププロジェクトでは、直島の“普通の風景“をまもりたいという思いから、プロジェクトの一環として「地域苗生産(※)」に取り組んでいます。「地域苗生産」とは、その土地に自生している植物(在来種)の種や枝から苗木を育てることです。

2022年10月23日、地域苗生産を体験するワークショップ「みんなの直島再発見―直島の種から木を育てよう」を直島町民の方々と行いました。このワークショップでは、地域苗生産を通して、直島で日常的に目にする植物、見過ごしている植物、またそれらが作り出す“直島らしい風景”を知ることで、島の自然への関心や愛着を深めてもらうことを目的にしています。

ワークショップには11名の直島町民の方にご参加いただきました

ワークショップでは、ランドスケープデザイナーのユニットタネ(鎌田唯史さん、あきこさん)のお二人によるレクチャーの下、直島島内を散策しながら、 “直島らしい風景”がどのような植物や景色から成り立っているのかを見ていきます。

ユニットタネの鎌田あきこさん、鎌田唯史さん
普段何気なく目にしている島の植物をじっくり観察します

散策の中で見つけたウバメガシやアベマキ、シャリンバイなどの種は、種蒔きのために集めています。小さいお子さんたちは、ドングリを見つけるたびに「見つけた!」「こっちにもあった!」と明るい歓声を上げていました。

種が持つ多様な“仕掛け”をみんなで学びました

午後の種蒔き体験では、ユニットタネの鎌田さんに種の種類や育て方について教えていただきました。一口にドングリと言っても、形状や生態は実にさまざまな。小さな種に隠された秘密を知った参加者は、不思議そうにドングリを眺めていました。

種蒔き体験の様子

みんなで集めた種を種類分けし、しっかりと水に浸した後、一つひとつポットに埋めていきます。どのポットに自分の埋めた種が入っているか分かるように、手書きのプレートを立てていきます。種から元気な芽が出ることを願いながら、191個ものポットに種蒔きを行いました

種を蒔いたポットに水を与えます

種蒔きしたポットは、種の育て方を記載したハンドブックと共に参加者のみなさんにも持ち帰っていただきました。

ワークショップに参加いただいた方からは、「新しい島の発見があった」「身の周りのことに気付く機会となり心が豊かになった」「近所の山を知る、種を集めて育てるという大切なことを学べる機会だと思う」と感想を述べてくださいました。

「再発見」というワークショップのタイトルどおり、毎日見ている島の景色が少し違って感じられるようになる、そんな体験にもなったようです。

みんなで集めて蒔いた種がどう成長していくかについても、ベネッセアートサイト直島の公式noteにて発信していきたいと思います。

※地域苗生産には、他所から苗木を運び込むエネルギーを節約できる、様々な樹種を植えることで生物が多様になる、地域の生態系や風景を壊さない、といったメリットがあります。直島ランドスケーププロジェクトでは、敷地内の手当てが必要な場所を中心に植える目的で苗木を作っています。