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直島ランドスケーププロジェクト

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直島南部の瀬戸内海の原風景を重要な資源と捉え、建築・アートと調和するように整備・維持・活用する、それがこのプロジェクトの目的です。 これまでも「自然・建築・アートの共生」のコンセ…
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#ランドスケープ

「腰かけたい場所」シェアプロジェクトのご報告 その1

この企画は、ベネッセアートサイト直島で外歩きをする方の「ゆっくりと過ごす」ことについて考える目的ではじまりました。 ベンチに腰かけ、何を思うのでしょう。何が見え、何が聞こえるでしょう。 ああ、ここにベンチがあったらな、とどんな時に思うでしょう。 まず芸術祭会期前にスタッフにアンケートを取り、提案があった全箇所について現地で点検し、喧々諤々の議論をしました。実際に置いてみたところ作品と干渉してしまったベンチなど、NG となった箇所もいくつかあります。 そして10 箇所に設置

「腰かけたい場所」シェアプロジェクトのご報告 その2

さて、どんな場所のどんなシェアがあったでしょうか。マップ内に青印で分布を示しています。 春には海際が人気で、実際に設置したベンチからの投稿や、設置がない浜辺からの投稿もありました。そこには、写真一枚には納まらない景色が広がっています。それでは、シェアします。 「小さなころからこんな風景を見たいと思っていました。今日見ることができて嬉しい」とおっしゃるのは50 代の女性。 これを機に、新風景との出会いは次々に訪れることでしょう。 大潮の嵐の日に破損してから1 年ぶりにこの

「腰かけたい場所」シェアプロジェクトのご報告 その3

その2に引き続き、シェア写真の紹介を。 ゆかさんはリピーターなのでしょう。季節も時間も異なる2 枚の写真をシェアくださいました。雲のようす、光の反射、船の登場、きっとその場所では、風もにおいも聞こえてくる音も違うのでしょう。 バレーギャラリーは今年オープンの新作エリア。訪れる人数も多く、たくさんの方にベンチをご利用いただいていました。 バレーギャラリー周辺の若い木々も根を下ろし、風景は年々変化していくことでしょう。高いところから眺めると、周辺との関係もよくわかります。

「腰かけたい場所」シェアプロジェクトのご報告 その4

「芝生の上に座ってる人もいたけれど、私は服を汚したくないので座りませんでした。」というお声をいただきました。ベネッセアートサイト直島では「自然に腰かけられる場所」をさりげなく仕込みますが、それだけではいかんとも、という貴重なご意見です。 とはいえ、無限門の前に劇場のように椅子が並べてあったら、首をかしげる方も多くいらっしゃるでしょう。 どのようなルートで作品をめぐるのか。作品の周囲は、作家さんが鑑賞者にどういう視点を提供したいかについて、繊細に詳細に考えています。 ベネッ

あなたの腰かけたい場所はどこですか?

ベネッセアートサイト直島の掲げるコンセプトに「自然・建築・アートの共生」があります。直島、豊島、犬島へ訪れたことがある方は、さまざまな現代アート作品や建築だけでなく、瀬戸内ならではの美しい景観も強く印象に残っているのではないでしょうか。 私たちの活動では、こうした島々の景観を守ることを目的としたプロジェクトも存在します。「直島ランドスケーププロジェクト」もその一つ。直島ランドスケーププロジェクトでは、地中美術館やベネッセハウスが位置する直島南部の瀬戸内海の原風景を重要な資源